ハブのグリスアップをやってみた
雨である。
しかも2週間ほぼ毎日である。
秋雨前線と季節はずれの台風の影響なので仕方が無いが、2週連続で自転車に乗れないと相当鬱憤が貯まる。
しかしここは前向きに、天気を恨むより自転車を綺麗にする事にした。
先週やらなかった駆動系を掃除し、チェーンに給油した。
うん、スプロケットもチェーンもピカピカだ。
新品のような輝きである。
でも、2日も走れば黒くなっちゃうんですけどね。
そろそろ本題に入ります。
7月某日。
前回書いた通りホイールの振れを取りブレーキの遊びを少なくする事に成功した私は、こう思った。
「ここまでやったのなら純正のホイールの性能をフルに引き出してやろう」と。
GIANTのカタログによると、クロスターさんとエスケープR3のホイールは共通だ。
当時、自分の自転車のハブの構造も良く解らなかったのだが、ネットで調べるとエスケープR3のホイールのハブが「カップアンドコーン」という方式であり、ハブの蓋の裏側部分でベアリングを保持する構造だ、というところまで理解出来た。
つまり、蓋の締め付けトルク次第でベアリングの遊びの量が変わるので、ベアリングを締め付け過ぎれば回転抵抗が増えベアリングに負荷が掛かる。
逆にベアリングの遊びが多いと回転抵抗は減るがベアリングのガタが発生し、これもまたベアリングに負荷が掛かるという事だ。
つまり、緩すぎず強すぎずの絶妙な力で蓋を締めないと最適最弱な回転抵抗は得られないのだ。
これを玉当たり調整というらしい。
出来るかな、、、
とりあえず工具を購入した。
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ハブコーンレンチは、6サイズ分のセットを購入した。
これだけサイズが有れば蓋を外せるだろう、と。
外したベアリング洗浄用の茶こしと小型の取手付きのボウルのような物は百均で購入した。
作業中の写真が無くて恐縮だが、話を進めさせて頂く。
ホイールを外しハブの蓋を開けるとベアリングが露出するので、それらを丁寧に失くさないように茶こしに落とし、パーツクリーナーで洗浄した。
GIANT純正ホイールのハブ内部には、どうも必要最低限のグリスしか入っていなかったようだ。
ハブ内部もパーツクリーナーで洗浄し、ウエスで綺麗にした。
あとはベアリングにたっぷりとグリスを塗って組み直すだけである。
このグリースは、何年も前にオートバイの整備用に購入した物だが、沢山余っていて勿体無いので使用した。
これでもかというくらいに、グリースを大量にハブ内部に塗りこんだ。
多ければ溢れた分をふき取れば良い。問題無い。
しかし、ハブを組み直しホイールをフレームに装着し空転させてみると、グリスアップ前よりも明らかに抵抗が大きくなってしまった。
弱めに締めたつもりだったのだが、蓋を締めすぎたようだ。
やり直しである。
もう一度ホイールを外し蓋を緩め、ホイールの軸を手で持ちホイールを空転させてみた。
ベアリングのゴリゴリ感が無くなるまで蓋を緩めると、明らかに蓋が浮き隙間が開いてしまう。これではマズいだろ。
かといって蓋を締めていくと、どんどんゴリゴリ感が強くなる。
さっきは蓋を締めるナットをレンチで弱めに締めたのだが、今度は指の腹で締め付け具合を探りながらナットを締め、ロックナットを固定した。
蓋が浮かず、なおかつ最小限のゴリゴリ感が出始めた辺りでだ。
どうやらこれで正解だったようだ。
正確に時間を測った訳ではないが、車体にホイールを組んで空転させると、明らかに若干だが空転時間が長くなった気がした。
数日走行後もハブからグリスは漏れていないので、締め付けトルクが弱い訳では無さそうである。
因みにグリスアップ前に一度、ペダルを止めて惰性で走行中のロードの後ろに付いて走った事が有ったのだが、その時は私の方が速度が落ちるのが早かった。
あのときは、これが自転車とホイールの値段の差なのだと思ったのだが、グリスアップ後にたまたま同じ状況が訪れたので、試しにまたロードの後ろに付いてみた。
すると、今度は私と前を惰性で走っているロードの距離はじりじり縮まってしまったのだ。
たまたま前を走っている人の自転車が本調子じゃ無かったのかもしれないが、安い自転車でもメンテナンス次第で本来の性能を引き出してあげる事は出来るのだと実感した。
それでは。